集会案内 

 

■第21回全国手話通訳問題研究討論集会

テーマ

「問いなおそう “ほんとうの豊かさって 何”」

よびかけ

  2004年8月に開催されたアテネオリンピックでは、東京オリンピックに並ぶ日本の五輪史上最多のメダルを獲得する選手団の活躍がありました。その東京オリンピックの選手村を記念して建てられた国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、『第21回全国手話通訳問題研究討論集会』を開催いたします。

  支援費制度は発足1年目で財源問題を抱え、介護保険制度の見直しと支援費制度との統合問題が急遽浮上してきました。障害者にとって基礎構造改革の基本的な制度が動いています。また、地方分権の流れにより障害者自立支援・社会参加総合推進事業の補助金一般財源化が地方6団体によって要望されました。このような中、手話通訳制度については制度のあり方を再検討する作業が行われています。

  聴覚障害者の暮らしの実態や手話通訳制度の現状と問題点、手話をめぐる諸問題を実際的に出し合うことが益々大切になっており、社会福祉を取り巻く大きな変革期に聴覚障害者の願う「手話通訳保障」とはどのようなものであるのか理論構築が重要になります。私たちが求める本当の豊かさとは何であるのか、15の分科会において、各地域の意見を持ち寄り熱い討論をしていきましょう。

第21回全国手話通訳問題研究集会実行委員会

分科会一覧

1.手話通訳の制度 第1分科会 登録手話通訳者の活動
第2分科会 手話通訳派遣コーディネーターの業務と役割
2.手話通訳のしごと 第3分科会 手話通訳者の専門性を高めるために
第4分科会 手話奉仕員養成の運営
第5分科会 手話通訳者養成の運営
第6分科会 専門学校等での手話講座
3.聴覚障害者の暮らし 第7分科会 手話
第8分科会 聴覚障害者の暮らしを見つめて(医療)
第9分科会 聴覚障害者の暮らしを見つめて(労働)
4.手話通訳の制度 第10分科会 手話サークル
第11分科会 手話通訳者の健康
第12分科会 聴覚障害者関連施設
第13分科会 手話通訳者の設置・派遣について
第14分科会 手話を広めるための取り組み
特別分科会

1.手話通訳の制度

第1分科会 「登録手話通訳者の活動」

 登録通訳者は専任通訳者と共に、手話通訳者派遣事業を中心的に担っています。そこで、この分科会では、全国各地で活動している登録通訳者に参加していただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 登録通訳者はその活動の中で、様々な困難と悩みを持っています。派遣先や専任通訳者、聴覚障害者との関係での問題、また同じ登録通訳者同士の問題等いろいろなものがあります。まず、これらの問題、困難を具体的に出し合い、整理し、解決の方向を探りたいと思います。
  2. 手話通訳者集団の必要性については、頭の中では分かっています。しかし、その実践となると様々な問題が起きています。手話通訳者集団の活動内容を交流し、集団づくりの実践について意見の交換を行いましょう。
  3. 守秘義務についての理解にばらつきが見られます。登録通訳者にとっての『守秘義務』について議論を深め、聴覚障害者集団との共通理解が必要です。『守秘義務』についての各地の考え方を交換する中で、整理を進めたいと思います。

このページのトップへ

第2分科会 「手話通訳派遣コーディネーターの業務と役割」

 手話通訳者派遣事業を円滑に遂行するためには、手話通訳コーディネーターの役割が大変重要です。主に手話通訳者派遣コーディネーターを業務にしている人に参加していただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 手話通訳者派遣事業でのコーディネーターの業務と役割について
  2. 県と市町村との連携や、情報提供施設との関係について(広域での派遣など)
  3. 設置手話通訳者とコーディネーターとの関わりについて

このページのトップへ

2.手話通訳のしごと

第3分科会 「手話通訳者の専門性を高めるために」

 設置(専任・専従)手話通訳者の専門性を高めるために、各地域での実践を持ち寄り討議を深めてきました。行政や聴覚障害者団体、手話通訳派遣組織等で働く方々の参加をお願いします。今年も実践を持ち寄り、手話通訳者の専門性について討論していきます。

<討議の柱>
  1. 介護保険と支援費制度との関連とその問題点について
  2. 設置(専任・専従)手話通訳者の業務と他の関連施設との協力関係について
  3. 業務統計の試みについて

このページのトップへ

第4分科会 「手話奉仕員養成の運営」

 平成10年度に厚生労働省が養成カリキュラムを策定し新しい事業としてスタートしましたが、各地域で様々な問題点が見られます。そこで、各地域で手話奉仕員講習会の運営などに携わっている人に参加していただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 奉仕員養成の目的と具体的なカリキュラムの内容
  2. テキスト及び教材開発について
  3. 聴覚障害者と健聴者の講師としての相互援助について
  4. 修了したあとの奉仕員の活動や登録などの実態について

このページのトップへ

第5分科会 「手話通訳者養成の運営」

 手話通訳者の養成事業がはじまり、様々な工夫が各地域でなされ、手話通訳制度の充実に向け、この事業が取り組まれています。しかしながら、手話通訳者の養成については全国格差があり、底上げも必要な状況でもあります。そこで、各都道府県や政令都市などで手話通訳者講習会の運営などに携わっている人に参加していただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 各都道府県や政令都市で手話通訳者講習会の企画・実施されているが、実際の運営上の課題について
  2. カリキュラムにそったテキスト及び教材開発について
  3. カリキュラムに応じた講師の選定について

このページのトップへ

第6分科会 「専門学校等での手話講座」

 介護福祉士養成校や他の専門学校、高校、大学等で手話についての授業が行われるようになり、全通研やろう協の会員が講師を担うようになってきました。講師は、授業内容をどう構成するか、また指導のあり方はどうなのか、健聴者とろう者がどのように協力していくのか等で悩みを抱えています。この分科会では、これらの課題を解決していけるように論議していきます。

<討議の柱>
  1. 模擬授業を通して
    担当する講座のねらい達成のために、どのような指導が効果的なのか、模擬授業を通して、参加者の経験交流をし論議を深めたい。
  2. 講師養成・研修・派遣体制について
    各種専門学校等で手話や聞こえないことなどに対する講座が増えている中で、担当する講師が不足している。それに対応するために、どのようにして講師を養成しているのか、各地の取り組み状況を報告し合い、意見交流をして論議を深めたい。
  3. その他
    • 情報交換
      • 各自がシラバス(講義概要)を持ち寄り配付するが、報告や質疑をしない。
        〔シラバスの一般的な項目〕 a)科目 b)テーマ(講座を通して) c)講義のねらい(テーマ理解の具体的なもの) c)カリキュラム(講義の流れ) d)学習上の留意点(望むこと、注意点) e)成績の評価 f)使用テキスト・参考図書
      • 使用テキスト(市販・自作)を持参・展示し、参考にする。
    • 悩み相談コーナー
      講師担当をしての悩みについて、参加者の中からその解決方法や工夫を出し合う。

このページのトップへ

3.聴覚障害者の暮らし

第7分科会 「手話」

 手話の収集・保存は各地域で取り組まれています。昨年度は関東ブロックから関東討論集会の報告、広島支部から「暮らしの中の手話を探る」というテーマで広島県内の各地域で「魚」、「野菜」を対象にした手話収集を行い、分析した結果、手話表現が生産者側(農業、漁業従事者)と消費者側(主婦など)とでは違う表現があると報告されました。他にも近通研集会の報告、三重から手話収集の経過報告などがありました。それを受けて各地の「○○の手話」の現状について、手話の表現について参加者から報告を受けました。討論集会の主旨である相互に研究を発表し、討論するというきっかけができました。

 今年も地方の手話収集に成功したチーム(都道府県毎)の経験発表や新しい手話を創作した研究チームの報告を中心として参加者が手話研究に興味を持ち、参加する動機となる分科会とします。

<討議の柱>
  1. 地域の手話(収集・整理・保存・聴覚障害者の暮らしとの関わり)について
  2. 医療場面等専門分野における手話について
  3. 標準手話と地域の創作と変遷について
  4. 手話の普及について

このページのトップへ

第8分科会 「聴覚障害者の暮らしを見つめて(医療)」

 地域での継続した粘り強い取り組みの中で、聴覚障害者に対する医療機関の対応も大病院においては一定の改善がなされつつあります。また、聴覚障害者自身の医療に対しての関心も年々高まりをみせております。交通事故や急な病に対した救急体制も、消防署と協力しあいながら進んでいます。

 昨年は医療活動に関する多面的な取り組みの報告がありました。今年も引き続き、各地の前進した取り組みの報告を基に論議を進めていきます。

<討議の柱>
  1. 聴覚障害者への医療支援の問題点と課題について
  2. 聴覚障害者の医療保障とその拡充について
  3. 医療従事者と聴覚障害者、手話通訳者、医療班との関係づくりと連携について
  4. 聴覚障害者組織との関係づくりと連携について
  5. 医療関係組織との関係づくりについて

このページのトップへ

第9分科会 「聴覚障害者の暮らしを見つめて(労働)」

 長引く不況、高卒・大卒の半数近くが就職できないという状況の中で、企業の倒産はいっこうに収まらず、リストラや労働条件の改悪、さらに、中高年者は転職・再就職もままならないなど、障害者就労を確保し働きがいを求めていくためには非常に厳しい時代です。

 パート化や期間契約雇用、短期雇用が当たり前のように行われている今、聴覚障害者の労働環境はきわめて厳しい状況にありますが、雇用を守り、働きやすい環境づくりと支援の方策を話し合います。

<討議の柱>
  1. 聴覚障害者に関わる制度の問題(手話協力員制度、重度障害者介護等助成金など)について
  2. 職場内での情報保障、コミュニケーション保障の現状と取り組みについて
  3. 労働現場で起きている問題(リストラ、雇用条件の変更など)について
  4. 聴覚障害者団体、全通研支部における労働対策の取り組みについて

このページのトップへ

4.手話通訳の運動

第10分科会 「手話サークル」

福祉の市場化を背景に、契約による福祉サービスの購入となる支援費制度が、昨年4 月から実施されました。しかし、制度の前提となる基盤整備は、きわめて立ち遅れています。そうした中、たとえば聞こえない人たちの生活支援に取り組まれるなど、地域に根ざした手話サークル活動が各地で展開されつつあります。聴覚障害者の地域生活の支援を考えた場合、手話通訳制度の充実とあわせ、貴重な社会資源である手話サークルの存在は、ますます重要になっていくといえるでしょう。この分科会では、さまざまな悩みをかかえながらも、その活動を模索し、さらに豊かなものにしようとがんばる各地の手話 サークルの、いきいきとした取り組みを交換しあいます。レポートを含めた、皆さんの積極的な参加をお待ちしています。

<討議の柱>
  1. 聞こえない人たちの生活(くらし )に視点をおいた聴覚障害者と共に歩む手話サークルのあり方を、 あらためて確認しあおう
  2. 今日の情勢の中での社会資源としての手話サークル活動の役割を考えよう。「地域生活支援」や「手話の普及」「手話通訳者の養成」、そしてそれらの事業等と手話サークル運動の関わりについて考えてみよう
  3. 手話サークルの運営や学習の方法などの情報を交換しよう
  4. 手話サークルにおける全通研の役割を考えよう

このページのトップへ

第11分科会 「手話通訳者の健康」

 全通研が、手話通訳者の健康問題に取り組み始めて10年以上になります。にもかかわらず、2002年度の全通研集会における特殊検診で、重症者は初期を除いてこれまでに一番多かったとの厳しい結果が報告されました。3回目になる全国調査報告書からも、ここ10年間の健康問題は改善が見られないとの結果が出ています。なぜでしょうか。

 改めて健康障害予防に向けての取り組みを考えていきたいと思います。

<討議の柱>
  1. 各地の健康問題への取り組みについて
    • 労災認定・公務災害認定の支援と現状
    • 過重な通訳者負担の軽減への取り組み
    • 健康管理に結果が反映される検診
  2. 健康障害の要因と予防対策について
  3. 予防対策の実施状況
  4. 健康学習

このページのトップへ

第12分科会 「聴覚障害者関連施設」

 聴覚障害者の長年の願いの一つに「自分たちが自由に使える話し合いの場」などを含めた施設を求めて、全国各地で情報提供施設などの聴覚障害者の拠点となる施設づくりに取り組んでいます。

 これまで全国では、施設設置のための運動に取り組んで実現させた地域や行政主導型で施設づくりが進められたところなど様々にあります。そこで、施設に関係する人に参加いただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 情報提供施設・重複障害者施設・高齢者施設づくりについて
  2. 高齢者の利用施設と在宅サービスについて
  3. それぞれの施設の地域での役割と運動体との関わりについて

このページのトップへ

第13分科会 「手話通訳者の設置・派遣について」

 1995(平成7)年から始まった障害者プランを実施する中で、手話通訳者の設置・派遣を行う自治体が増えてきました。2003(平成15)年度から新障害者プランが始まった中で、この傾向はさらに増加していくことが予想されます。しかし、行政主導型で行われた地域と聴覚障害者団体が主体的に関係した地域では、設置要綱や派遣要綱などの内容に大きな違いが生じています。

 また、手話奉仕員養成事業を修了した手話奉仕員が手話通訳者として派遣されている地域もあります。今後、手話通訳事業を全ての市町村が実施するためには多くの解決すべき課題があります。そこで、手話通訳事業に関係する人に参加していただき、以下の課題について討議します。

<討議の柱>
  1. 手話通訳者の設置を進めるための課題について
  2. 手話通訳者派遣事業と手話奉仕員派遣事業の関わりについて
  3. 地域の社会資源としての手話通訳者派遣事業の機能について

このページのトップへ

第14分科会 「手話を広めるための取り組み」

 聴覚障害者の大きな願いの一つに、コミュニケーションの壁をなくし、制限されることなく社会参加できる、バリアフリー社会の構築があります。 手話奉仕員養成事業を中心に、手話の普及および手話通訳者の養成が取り組まれてきました。

 手話通訳者の養成については、1989(平成1)年には手話通訳士という資格認定試験も導入され、また、1998(平成10)年には手話奉仕員養成事業と手話通訳者養成事業が新たにスタートし、手話通訳者の養成がますます充実してきています。

 一方手話の普及については、小中高等学校での授業の一環として手話教育が行われたり、地域福祉事業や社会教育事業の一環として市民向けの手話講習会が開かれたり、その他多様な形態で市民が手話を学んでします。このような手話学習機会の拡大は、手話や聴覚障害者への市民的な理解や協同を促進するものといえるでしょう。しかし、これらはバラバラに開かれているのが実状で、バリアフリーに有効につながっていかないという一面もあります。

 聴覚障害者にとってのバリアフリー社会構築するために効果的な手話の普及のあり方、その取り組みを地域の中でどう展開していくか、を考えていきます。

<討議の柱>
  1. 手話を普及するための地域での取り組みについて
    理念・運動・成果・展望
  2. 市民向けの手話講習会・手話教室(手話奉仕員養成事業以外)の取り組みについて
  3. 小学校・中学校での「総合的な学習の時間」への取り組みについて
  4. 病院、会社、保育園、その他の手話学習ニーズに対する取り組みについて

このページのトップへ

特別分科会

 討論集会に初めて参加する方でも、学習できる分科会です。

今年は、全日ろう連、手話通訳士協会と検討を重ねてきた「聴覚障害者コミュニケーション支援の現状把握と再構築」の取り組みを踏まえて、今後の手話通訳事業のあり方を討論します。

  1. 手話通訳者の身分の安定と専門性の向上をめざして
  2. 手話通訳の保障体制に拡大、拡充をめざして
  3. 聴覚障害者情報提供施設によるコミュニケーション保障のための拠点づくり
  4. 手話を広め市民権の拡大をめざす
  5. 推進母体としての全通研運動

このページのトップへ

第21回全国手話通訳問題研究討論集会概要のページに戻る